老健の収支悪化は必然か?

こんにちは、honmonoです。

 

先日、CBさんに「老健施設の約半数、13年度に比べ収支「悪化」
日慢協調査、「在宅強化型」では稼働率が低下」という記事が出ていました。

やはりというか、何というか、収支の悪化が進んでいるようです。

記事によると、

2018年4月の介護報酬改定で報酬単価の高い「超強化型」と「在宅強化型」でベッド稼働率の低下が目立ち、在宅復帰支援やリハビリテーションの充実を評価する加算を算定できていない施設があるとのこと。

※情報ソースはCBニュースより

 

honmonoは長年、老健で勤務していました。

老健で副施設長や法人が運営する5つの老健の統括として経営視点で、いわゆる事務長としての仕事を行っていました。

2018年の制度改定は、老健にとって大きな転換期であったことは、この記事を読まれる方であれば誰でも容易に想像はつくと思います。

この場では詳しい加算体制を解説することはしませんが、老健が改めて本来の在宅復帰施設という機能を厚生労働省が求めていることが報酬体制でも明らかです。

でもこれって、全老健が長年いってきた、老健の理念に基づいていること、そこに早く気づいていれば少なからずマネジメントは出来ていたはずなんです。

では、改めて全老健がうたっている「介護老人保健の理念と役割」を見てみましょう。

※全国介護老人保健施設協会HPより

1.包括的ケアサービス施設

2.リハビリテーション施設

3.在宅復帰施設

4.在宅生活支援施設

5.地域に根ざした施設

改めて、5つの理念と役割を見てみていかがでしょうか?

厚生労働省が老健にやってほしいこと = 老健がやらなければならないこと

がしっかりと示されていると思いませんか?

マネジメント層はもとより、現場の職員さんもこの意味をしっかり解釈したうえで、自分たちが何を目指していかないといけないのかをもう一度理解してすすめていく必要がありますよね。

そして、今回の制度で注目せざるをえないのが、加算体制での評価ではなく、報酬体制で評価されるという点です。

これは、2018年度の介護報酬改定で大きな転換を迎えたことを意味しています。

頑張っているところには、他のところに比べて手厚く加算をあげますよ~!、という姿勢から、報酬区分を分けて取り組みした結果のアウトプットで評価したという点です。

事業所毎の体系で評価をはじめたということは、その先にあるのは容易に想像できるかと思います。

 

この記事を読んでいただいている皆さん、本当に今やこの数年が勝負の時期です。

数年後に自分たちの事業所の姿が想像できますか?

生き残ることが出来ていますか?

 

今すぐ出来る取り組みがあるはずです。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

honmonoでした♪

 

 

老健が空いている? チャンスかも!?

こんにちは、honmonoです。

 

先日、「ケアマネジメントオンライン」さんのメルマガの見出しに

【「老健がガラガラ」、同時改定の影響?―日慢協の調査で明らかに】という見出しがありました。

詳しく記事を見ていくと、日本慢性期医療協会が行ったアンケートで、3年前の介護報酬改定と比べて、施設稼働率が低くなっているという施設が全体の約4割に達したそうです。

また、同ホームページからの内容によると

・日慢協の会員の老健と会員病院の関連の老健計150施設が対象

・「95%以上100%以下」が43.3%で最も多かったが、全体の3割超は90%未満

・介護報酬が最も高い「超強化型」でも、半数超は90%未満

・次に介護報酬が高い「在宅強化型」も、58.3%が「85%以上90%未満」

・「超強化型」以外の老健では、介護報酬の単位数が低下傾向にあり、全体の46.1%の施設は、過去5年間で収支が「悪くなっている」と回答

・2018年度介護保険制改定で、病院から退院で在宅復帰を評価する対象から外れたこともあり、病院からの紹介が来なくなった

とのことです。

 

これは、切実な問題ですね。

honmonoも、理学療法士として老健に長く勤務し、その後は訪問リハビリの立ちあげや、施設管理者を経験してきたきました。

もちろん、介護保険改定時にはどのような対策をとって改定を乗り切るか、国はどのような考え方で進もうとしているのか、などを考えてきました。

今回の改訂は、老健の運営においては大変厳しい内容です。

 

でも、そんなときだからこそ、しっかりと現状分析して次に向かって手を打っていく必要があります。

しかも、数的なエビデンスをだしながら取り組むことが必要です。

次回は、今の現状からどのように稼働率を上げていくのかを考えていきます。

honmonoでした♪





介護職員処遇改善加算の行方

こんにちは、honmonoです。

2018年4月の介護保険制度改定から約3月が経過しようとしていますが、みさんの事業所では加算体制など落ち着かれていますか?

2018年度の介護保険制度改定では、介護職員処遇改善加算に関しては変更されませんでしたね。
厚生労働省の考えでは、介護保険制度改定と介護職員処遇改善加算を同時に改定すると、現場が混乱するのでイレギュラーだけど先に2017年4月に介護職員処遇改善加算を改定しよう!という考え方だったと思います。

さて、この介護職員処遇改善加算ですが、みなさんの事業所では適切な運用がされていますか?

2017年3月9日に発表された介護保険最新情報Vol.582によると、介護職員処遇改善加算は5段階に設定されました。

どこの事業所もこの処遇改善加算Ⅰを算定されているところが大半だと思います。honnmonoが独自に調査したところ、事業区分や規模に関係なく加算Ⅰを取得されていました。

しかしこの加算Ⅰに関して、特に中小規模においてはかなりハードルがあがっています。キャリアパス要件Ⅲがかなり厳しいと思っています。

厚労省からの資料では、

「経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること。」

となっています。

この「昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給する仕組み」

がミソですね。

継続的に定期的に昇給するなんて、事業をされたことがある方ならお分りだと思いますが、かなり厳しい制度です。

この文言をどのように解釈するのか、ということになるんでが

要は、「人事評価制度」しっかり設けなさい、という意味です。

介護業界の中でも、特に訪問系の中小事業所では人事評価制度が無いという事業所もまだまだあるようです。honnmonoが知っている事業所でも人事評価などなく、経営者の気分次第というような事業所がありました。

そのような事業所が今はどのようにされているのか分かりませんが、これでは処遇改善加算Ⅰは絶対に取得できません。

もし取得しているのであれば、実地指導などで返還対象とされます。

ただ2017年4月の改訂では加算体制の届出時に、どのように処遇改善していくのか計画書の提出が必要でしたので問題ないかと思いますが、皆さんの事業所でも一度チェックしなおしてはいかがでしょうか?

hhonmonoでした♪

認知症になってもいいんだよ、って簡単には言えないです

こんにちは、honmonoです。

 

先日、ネットを見ていた時のこと。気になる記事を見つけました。

記事の見出しが「認知症になってもいいんだよ、講演で啓発する介護指導者」。

honmonoにとっては、けっこう衝撃的な見出しです。

私は朝日新聞Digitalの会員ではないので全ての記事は読めませんが、たぶん認知症サポーター養成講座をされているのでしょう。

私自身も認知症サポーター養成講座、講師としてよくお呼びがかかりやっていますが、なかなかこの「認知症になってもいいんだよ」とは言えないです…。

 

この言葉の裏側にある言葉の意味を考えてみると、

・認知症になっても、不安になることは無いよ

・認知症になっても、いままでみたいに誰かが助けてくれるよ

・認証になっても、今まで通り「自分」を持って、生活していいんだよ など

というようなメッセージが隠されているのではないでしょうか?

 

私自身も講師としてお話しする際は、認知症になることの恐ろしさや嫌な思いなど、ネガティブなイメージを伝えるのではなく、いかにして自分らしく生きていくことが出来るのか、を伝えるよにしています。

そして、認知症になったかたを、特別な存在ではなくとらえ、一人一人が、そして皆さんが住んでいる地域で支えあう活動ができる、結果としてみんなが住みやすい地域を目指していこう、ということをお話しするようにしています。

 

まだまだ、認知症の人=変わった人・怖い人

というイメージを持たれているひともらっしゃいます。

 

そのような、イメージの払拭が出来ればと思っています。

honmonoでした♪

 


ベッド稼働率と運営面での課題

こんにちは、honmonoです。

 

色々なテーマについて書いているhonmonoがすが、今回は以前から触れていますベッド稼働率に関してです。

 

ベッド稼働率、ズバリみなさんの施設や病院ではどのくらいでしょうか?

今回は介護老人保健施設のデータを見てみようと思います。

え、なぜかって? honmonoは以前、老健の管理者をしていました。2018年の介護保険改定をうけての動向はまだ不明ですが、2018年1月に独立行政法人 福祉医療機構(WAM)がレポートを出しています。

その中の図に(平成 28 年度 介護老人保健施設の経営状況について から引用)

上記図は、あくまでも「入所」の稼働率です。現場での稼働率は、これにショートステイの数値が上乗せされますのでご注意ください。

さてこの数値を見て、みなさんはどのように考えますか?

在宅復帰を頑張っているから、在宅強化型の稼働率が落ちるのはたたり前だよね、と皆さんは思われると思います。

その分、一人当たりの収入も高いから、経営的にみると大丈夫なはず!と思っていらっしゃる事務長さんや経営者の方も多いかと思います。

でも、本質はここからです。

在宅強化型=従来型に比べると煩雑なことが増える=人がいる=人件費

の構図が成り立っていると思いませんか?

 

では実際に、経営状況を見ていきましょう。

(平成 28 年度 介護老人保健施設の経営状況について から引用)

この表から、今回は「利用者1人1日当たり事業収益」を見てみます。

(在宅強化型・14,123)-(従来型・13,046)=1,077

この数値を見て、どのように考えますか? 頑張っているのに、たった1,000円位しか違わないんです。

さ、もう少し掘ってみましょう。

「1施設当たり従業者数」の項目に注目です。

(在宅強化型・82.5)-(従来型・71.9)=10.6人

そうなんです! なんと10人も職員さんを多く採用しているという実績です。

なので、人件費率も全く違いますよね。

 

最終的に見てもらいたい項目は「事業収益対事業利益率」の項目です。

なんと、在宅強化型がどの報酬形態よりも数値が低いのです。

頑張っているのに、利益が上がらない。

 

これって、経営支援で考えると全くもって本末転倒な実績です。

収益があがらないと、職員さんへの再分配もできません。

もちろん頑張ってもらっている職員さんに賞与などで還元したいのですが、これでは正直厳しい数値です。

 

今回の介護保険制度改訂で、老健に関しては5区分にわけらえ、報酬上もより評価される体制になりました。

今年度の実績はまだまだ不明ですが、今後も見守っていく必要があると思います。

また、今回の記事で使用した詳しいレポートの内容は、ココから見ることが出来ます。

 

honmonoでした♪